国内加工の墓石も積極的に提案/形だけでなく構造のデザインも【兵庫県神戸市/株式会社第一石材】
能島
この度、私ども株式会社第一石材の取り組みが、石材関連業界紙である日本石材工業新聞(令和3年8月15日・第2252号)の特集『石でつくるお墓の魅力を高めるために』に取材掲載されました。
以下、掲載内容をほぼすべて原文のまま引用紹介させていただきます。
目次
特集『石でつくるお墓の魅力を高めるために』
人口減少時代、先行き不透明な経済状況、そして、葬送の多様化やコロナ渦の影響もあり、墓石市場全体に厳しさが感じられるが、全国各地において顧客満足度の高い建墓事例も少なくない。
この特集は石でつくるお墓の価値や可能性を改めて考えようとするもので、今後も様々な切り口から取材していきたいと考えている。
今回はこれまで数多くのデザイン墓石を制作してきた小売石材店の取り組みを取材した。
1.デザイン墓石に取り組んだ動機
1955年創業の株式会社第一石材(兵庫県神戸市)は、デザイン墓石の提案に力を注いできた小売石材店として知られている。
同社の能島孝志社長が設計したデザイン墓石は『デザイン墓石写真集』(六月書房刊)に多数掲載されており、また能島社長は同署の中の座談会にも登場している。
デザイン墓石を大きな特徴にしてきた理由について能島社長は次のように話す。
私は異業種から石材業界に入ったのですが、その時に感じたのは『お墓ってなぜどれも同じ形をしているのだろう』という疑問でした。
関西圏は和墓(和型石塔)が多く、兵庫の場合はいわゆる『神戸型』がほとんどでした。
消費者が選べるのは、石の種類と寸法だけというメースも多く、高額商品であるにもかかわらず、そうした画一的な形で建てられていることを不思議に思いました。
昭和の終わりから平成の初めにかけてのことです。
1995年(平成7年)に独立して今の会社を立ち上げたのですが、お寺さんとの付き合いもなく、新たに始める立場として考えたのは、他社と差別化できる特徴を持とうということでした。
そこで、当社は墓石のデザインに強い石材店ということを前面に打ち出していったわけです。
和墓ではなく、デザイン墓石を建てたいという方に当社を選んでいただこうという考えでした。
能島
能島社長によれば、当時はキリスト教関係の方のお墓の仕事が多かったという。
和墓ではない洋墓でも、いわゆる「オルガン型」の画一的な形の墓石が多かった時代であるが、それぞれのお墓のデザインに工夫を凝らすことに全力を注ぎ、従来の既成概念を取り払ったデザイン墓石を特徴にすることで、他社と差別化していったようである。
2.国内加工のデザイン墓石
創業してから5年間ほどは、デザインに凝った墓石に力を注いできたのですが、展示品として置いていた見本墓石でも、派手なデザインのものは見飽きてくるような感覚も出てくる。
その一方で飽きがこないものもあって、お客様からもそちらの方が支持も多いわけです。
そうしたことから、デザインをシンプルにしていこうと考え始めたのが15年前ぐらいからで、それと同時に、国内加工に改めて目を向けるようになっていきました。
国内加工となると当然コストもかかってしまうのですが、庵治・牟礼産地の職人さんにお願いしたものは加工の精度も磨きの品質もピカイチで、出来映えが素晴らしいんです。
現在では年間5~10基は国内加工のデザイン墓石を建てています。
業界内でも『デザインものは加工賃が高くなるので中国加工』というような声を耳にするのですが、難しい加工ほど優れた技術を持つ国内の職人さんに任せるのが本来の姿ではないかと思います。
『簡単な加工は国内で、難しい加工は中国』というのは、コスト面だけの考え方であって、品質の点から言えば本末転倒ではないでしょうか。
国内加工のデザイン墓石の良さを、我々はもっと消費者の方に上手に伝えていく必要があるだろうと思っています。
能島
3.彫刻文字の重要性
国内加工のデザイン墓石ということになると、国産材の使用比率も高くなってくる。
もともと関西圏では庵治石や大島石をはじめとする瀬戸内の銘石の知名度・人気が高いが、同社では洋墓にもそうした銘石を使うことで国産材の取り扱いが増えているようである。
以前から流れ模様のある『天の河®』の墓石を展示品として置いていたので、国産材のデザイン墓石も一定の割合であったのですが、最近になって国産材の割合がかなり高くなってきています。
シンプルなデザイン墓石においては文字の書体やレイアウトがとても重要な要素になります。
デザイン墓石の場合は正面文字に家名ではなく好きな言葉を刻むことが多く、当社では毛筆書体については既成のフォントは一切使わずに、すべて書家の方に揮毫していただいています。
石目や石質となると一般の方は理解するのに時間がかかりますが、文字の善し悪しはすぐにわかります。
文字に対する好みやこだわりはみなさん持っておられますので、どんな書体でどれくらいの大きさのものをどこにレイアウトするかということには、非常に神経をつかいますし、必ず原寸大のもので確認していただくようにしています。
能島
4.構造や機能としてのデザイン
創業当初はデザイン墓石や洋墓の割合が高かったが同社であるが、最近は和墓の割合が増えているという。
和墓となるとデザインの幅も限られてしまうが、現在の能島社長が取り組んでいるのは構造的・機能的なデザインである。
ここ数年は和墓が7割を占めるようになってきました。
そしてデザインに対する考え方も大きく変わってきました。
以前の考え方は『デザインと言えば見た目』でしたが、現在の考え方は『構造や機能もデザイン』というようになっています。
これは8年前に、カロートに防水構造が施されたお墓『信頼棺®』の開発をスタートしてからです。
それまでにも、バリアフリー設計にしたりベンチを置いたりというような機能的なデザインを手掛けたことはありましたが、カロートという見えない部分の構造や機能もデザインだということを意識するようになったのはそれからです。
デザインというのは外から見える部分だけではないということに気づきました。
現在は当社で建てるお墓のすべてに『信頼棺®』を採用しています。
以前は個性的なデザインを希望されるお客様が当社では多かったのですが、現在はカロートに水の入らないお墓を希望されるお客様のほうが多くなりました。
お問い合わせをいただくお客様の約95%がネット経由ですが、コロナ渦によってネット利用度は高くなっていると思います。
ホームページやブログでの情報発信にも力を入れており、『信頼棺®』のことも詳しく紹介しています。
最近はネット経由で『信頼棺®』に興味を持たれた方からの問い合わせが増えていて、エリアも全国各地へと広がっています。
能島
ネットからの問い合わせが約95%という同社であるが、驚いたことに9割以上の成約率があるという。
その成約率を支えているもののひとつに同社が他社と差別化できる『信頼棺®』というアイテムがあり、相見積もりになった場合にも、価格競争の土俵に上がらない提案ができているようだ。
5.『必要なもの』から『欲しいもの』へ
お墓は長い間『必要なもの』であって『欲しいもの』ではありませんでした。
多くの方は義務感でお墓を建てていたといえるのではないでしょうか。
ですから、これまで一択だったお墓というものが、永大供養墓や樹木葬墓地などによって、選択肢が多様化したときに、ユーザーの方をつなぎとめることが十分にできないことも少なくないと思います。
デザイン墓石は、お墓を『必要なもの』から『欲しいもの』へと転換させてくれるひとつの要素だと思います。
お墓に対して固定観念を抱いている方に対して、『お墓でこんなこともできるのならお墓も悪くない』と思っていただけるような提案がもっとできるだろうと思います。
今の時代にお墓を建てようとする人は亡くなられたご家族を大事にしたいという想いのある方です。
デザイン墓石によってお墓に新しい魅力を感じてくれるエンドユーザーも多くいらしゃいますし、その価値に理解を示して対価を払ってくださる方はコロナ渦の今も少なくありません。
中国加工のメリットももちろんありますが、繊細な感性で作られた国内加工のお墓は、お墓の魅力を高めてくれる要素のひとつになるものと考えています。
お墓の魅力と同時に我々が伝えていく必要があるのは、日本の職人さんが持つ高い技術力であり、そしてまた、自然が持つあたたかみが感じられる石の魅力でもあると思います。
能島
『お墓を売るために必要なことは?3つのポイントで他社に勝てる 』
『お墓づくりだけじゃない!石材店がホテル業界から学ぶサービスの重要性 』
ここまで読んでいただきありがとうございます。
戦後のモノのない時代や、その後の高度経済成長期なら、お墓も簡単に売れたでしょう。
- 石種に関しても
- 形やデザインに関しても
- 構造や施工に関しても
消費者に選択肢はほとんどありませんでした。
というよりも、お墓に頓着する消費者は、ほとんどいないと言ってもいいでしょう。
そんな中で、長きにわたり商売を続けてこれた業界なのです。
でも、情報化社会の今の時代はそうはいきません。
消費者が納得のできる、他社との違いを明確に提示できなければ、待っているのは競合での敗北だけです。
ちなみに、あなたのお店の成約率は何パーセントですか?
野球なら3割打てば一流ですが、営業の世界で3割はまったくダメでしょう!
最低でも、70%以上の成約率は確保すべきです。
「最低でも」ですよ!
もし、あなたが、多少のコストや手間を掛けても、お客様に心から満足していただけるお墓を提供したい。
そして、商圏エリア内で、「絶対他社との競合に絶対負けたくない」というのなら、私たち「信頼棺®」フランチャイズ本部は、きっとあなたの力になれると思います。
しかし、「お墓の中に水が入ることは、消費者にはどうせわからないので改善する必要がない」。
これまで通りの営業スタイルで他社との競合に負けない方法を知りたい、というのなら、私たちはあなたの力にはなれません。
決めるのは、あなた自身です。
納骨室に水が入らないお墓「信頼棺®」は、他社との競合にめっぽう強い、圧倒的差別化を図れるツールです。
興味のある方はまずはお問い合わせください。