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お客様の本音

石材店とお客様の間にあるズレ

石材店とお客様の間にあるズレ

2015年の調査では、一般消費者からの国民生活センターへの墓石関係の相談は1,192件。

ちなみに類似業界の仏壇関係は608件、葬儀関係は617件なので、墓石に関する相談はこれらの倍近くの件数が寄せられていることになります。

 

同業者である私たちにとっては、少し耳の痛い話です。

もちろん、いつも真摯にお客様と向き合っている石材店なら、こんなクレームとはほぼ無関係だと思われるかもしれませんが、こうしたお客様の声をきちんと知っておくことはとても大切です。

なぜなら、クレームの中にはお客様の本音が隠されており、また、石材店とお客様の間にあるズレに気がつくきっかけにもなるからです。

石材業界の常識が、いかに非常識か。

 

もしかすると、あなたの会社でも知らず知らずのうちに、苦情には至らないまでも、お客様が離れていってしまうような対応をしているかもしれません。

ここからは、今まで私が耳にしたクレームの一部と、その原因についてご紹介します。自社の姿勢も振り返りながら、確認してみてください。

 

クレームの詳細

一般社団法人日本石材産業協会が国民生活センターに対して行った「墓地、墓石・石材に関するクレームアンケート」では、次のようなクレームが確認されています。

施工不良・・・22.8%
  • 納骨室に水が溜まり、納骨できない。契約を解除して手付金を返してほしい。
  • 水はけが悪いので修理してもらったが改善しない。苦情を申し出たが新しい墓を購入するように言われた。
  • 墓の改修工事をしたが全体的に仕上がりが雑で不満。諦めるしかないのか。
  • 地震で石灯篭が倒れた。工事がずさんだったのではないか。
解約・返金問題・・・15.7%
  • 業者が契約を急がせ、墓地の場所も決まらないまま墓石だけで403万円もの高額契約をさせられた。
  • 墓石を注文し、その後キャンセルを申し出たが、中国に発注してしまったから、と応じてもらえない。
  • 口頭で契約し、書面はない。契約した日にすぐにキャンセルを申し出たが、すでに発注したので100万円を支払えと言われている。
  • 契約したはずの墓石を他人に売られてしまった。他の墓石を契約する気はないので解約したい。
材質・デザイン・サイズが違う・・・10%
  • 注文した墓石とできあがった墓石が違う。
  • 石の産地の説明に誤りがあった。
  • 材質、デザインのイメージが違う。
  • できあがりの寸法が注文と異なる。
  • パンフレットを見て工事依頼をしたのに、仕上がりはパンフレットの仕様と大きく違い、工事もずさん。

また、その他にも下記のようなクレームがありました。

その他
  • 彫刻文宇などを話し合わず、勝手に彫られてしまった。
  • 検討するから時間がほしいと言ったのに、石材店の営業マンからしつこく電話。夜遅くに自宅にまで押しかけられて迷惑している。
  • 法要に間に合うように契約して依頼したのに着工しない。

 

すべてのクレームにおいて石材店ばかりが悪いとは限りませんし、中にははからずも苦情になってしまった場合もあるでしょうが、それらの個別ケースを一つずつ検証することはできません。

そこで、まずは石材店側に問題があるものとして、その原因を探ってみたいと思います。

 

原因1:情報開示がほとんどされていない

様々なクレームに共通している原因の一つが、情報開示不足です。

たとえば、見積書にわかりにくい項目があると、お客様はぼったくられているのではないか、と心配になります。

そこで、詳しく知りたいと思って質問したときに、石材店があからさまに面倒臭そうな態度で雑な対応をしてしまったら、お客様はどう感じるでしょうか?

 

今や、どんな業種でも「わからないことがあれば丁寧に説明します」と明言して接客をされている企業が多い時代。

そんな中、石材店だけが情報不足の対応を続けていれば、消費者が不満に思うのは当然です。

 

私たちの業界には、「指定石材店制度」のように、消費者にとっては不便で、理解しにくい制度もあります。

生産者側に有利な内容の制度なので、石材店としては質問されると答えにくいと感じるかもしれません。

しかし、こちらがうやむやにしたところで、本当に気になるお客様は、インターネットなどでご自身で調べられることでしょう。

都合の悪いことを隠そうとすればするほど、それを察知したお客様はどんどん離れていってしまうのです。

 

大切なのは、お客様が正しい判断ができるように、正確な情報をすべて提供することです。

自分たちができないことや、お客様の不利益になることでも、事前にきちんと説明すれば、納得してくださる方がほとんどです。

 

原因2:売り手・作り手の都合を優先している

次に考えられるのが、自分たちの都合を押し付けてしまっている場合のクレームです。

これは、かつて、だまっていてもお墓が売れていた時代のやり方そのままに、上から目線の接客をしていることが原因です。

  • 「素人に石や工事のことを言ってもどうせわからないだろう」
  • 「最近の客はめんどくさい」
  • 「なぜこちらが客に合わせなければいけないんだ」

もし、心の中にほんの少しでもこんな気持ちがあろうものなら、それが態度の端々に表れ、お客様にも伝わってしまっています。

 

たとえば、お客様が希望しているデザインに対して、「これは加工しにくい」「運搬しにくい」「納骨が大変」などと自分たちの都合を優先して、勝手に仕様を変更してしまったらどうなるでしょう。

イメージと違う仕上がりのお墓を見て、お客様の中には納得できない気持ちが残ってしまうはずです。

もちろん、必要以上に媚びることはありませんし、できないことならきちんと説明してお断りしてよいのです。

ただ、今までよりももう少しだけ、お客様に寄り添う気持ちを持つべきではないでしょうか。

 

お客様がいらっしゃることに感謝し、相手の立場に立った対応ができれば、これらのクレームが発生することはなくなります。

 

原因3:結果的に売り逃げになっている

同業者ならご存知かと思いますが、墓石を販売するのに特別な許可や免許は必要ありません。

ですから、ごく稀に、販売が終われば即事務所を閉鎖、売りっぱなしで連絡が取れなくなるというような悪質業者もいます。

また、それとは別に、業界全体が厳しい中、一生懸命商売をしてきたにもかかわらず、やむなく廃業に追い込まれてしまう業者もいます。

契約後に工事が始まらず業者と連絡が取れなくなった、工事後に修繕をお願いしようと思ったら業者が廃業していた、というようなクレームは、大変残念ですが、こうしたレアケースに遭遇してしまったお客様かもしれません。

 

しかし、これらの特殊なケースのクレームからも、私たち石材店は学べることがあるのです。それは、お客様にとって、何かあったときに頼りにしたいのはお墓を購入した石材店である、ということです。

お墓自体は、施工後に頻繁にメンテナンスをするような商材ではありません。ですから、保証は用意してあっても、特別なアフターサービスなどはとくにないという石材店がほとんどでしょう。

それでも、お墓のことで困ったことがあればお客様はまず、購入した石材店に連絡してみようと考えます。

 

お墓は買い替え需要が少ないからこそ、一度お付き合いができたお客様は、ある意味、生涯のお客様。
一生で一社しか選ばれない石材店に選んでいただいたからには、とことん大切にしていきたいものです。

 

お墓づくりが終わっても、困ったときにはいつでもまた相談に乗れるようにしておくこと、そのためにしっかり経営を続けてゆくこと。

これが、お客様が求めている安心につながっていくように思います。

 

お客様の本音から探る“お客様目線”のサービスとは?

実は石材業界に入る前、私は販促や営業指導のコンサルタントをしておりました。

そんな中、とある石材店とお付き合いをいただいたことがきっかけで、この業界に入ることになりました。

転職した当初は苦労しましたが、この前職での経験があったからこそ、私自身、この業界にいながらも、物事の考え方や感じ方は極めて一般消費者に近い感覚を保ち続けられたのだと思います。

 

そこで、私はまず、自社の経営にあたって「消費者が石材店に望むこと」=「私が石材店に望むこと」 このように仮定してみました。

子供のころ、誰しも「自分がされて嫌なことは人にしてはいけない」と教わったことがありますよね?
これを商売に当てはめてみることにしたのです。

 

ここからは、私が実際に考えたこと、取り組んだこと、またお客様からいただいた反響などを元に、お客様目線のサービスについて考えてみたいと思います。

 

お客様が石材業者に望むこと

これまでのクレームも参考に、お客様が石材店に望むことをまとめると、下記のようなことが挙げられます。

  • 見積書や契約書、図面をきちんと用意し、わかりにくいところは説明をしてほしい
  • 勝手に工事を進めず、何かあればきちんとコミュニケーションをとってほしい
  • 消費者にわかりにくい制度、知らないけれど知っておくべきことは、隠さずに教えてほしい
  • 判断材料となる情報をなるべくたくさん提供してほしい
  • しつこく売り込まれたくない
  • 高額商品なのでじっくり検討する時間がほしい
  • 消費者の要望をできる限りかなえようという姿勢でいてほしい
  • 法要などのスケジュールにも配慮してほしい

他にもまだまだご要望はあるかもしれませんが、今はこのくらいにしておきます。

どうでしょう、こうしてみると、それほど無理難題を望まれているわけではありませんよね。

むしろ、他の業界であれば極めて当たり前に行なっている対応かもしれません。

 

これらの課題を一つずつクリアしていけば、少なくともお客様からクレームをいただくようなことはなくなるでしょう。

 

勝ち残る石材店になるための取り組み

さて、上記のことができているからといって安心してはいられません。

本当の勝負はここからです。

 

業界全体が縮小していく中、勝ち残る石材店になるためには、上記のような最低限の取り組み以上の企業努力が必須です。

来るもの拒まずで商売をしていた石材店はイメージしにくいかもしれませんが、お客様に選んでいただくには、それなりの理由を用意しておかなければなりません。

 

たとえば、

「〇〇があるから、この会社にお願いしたい」
「〇〇が良いから、ここにしよう」

このように、他社と差別化ができ、選ぶ動機付けとなる強みが必要なのです。

 

では、具体的に何を強みにすればいいのでしょう。

実は、その答えは、お客様だけが知っています。

 

お客様が何を必要とし、何に価値を感じるか、これをもとに考えるしかないのです。

こうして生まれる様々な“おもてなし”が「お客様目線のサービス」ということになります。

 

しかし、前のページでもお伝えした通り、現在、お客様のニーズは多様化しています。

ですから、大切なことは、自社がどの層のお客様をターゲットにするかを明確にするということ。

ターゲットとなるお客様の要望が違えば、新商品開発の方向性やサービス展開の仕方が変わります。また、効果的なアピールの方法も違ってくることでしょう。

 

「お客様目線のサービス」は、ご提供する側の私たちにもやりがいをもたらします。なぜなら、お客様が心の底から満足し、とても喜んでくださるからです。

充実した仕事をし、お客様に笑顔を届け、勝ち残っていく石材店になるために、ぜひあなたも自社ならではの「お客目線のサービス」づくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

株式会社第一石材の場合

私が代表を務める第一石材では、お客様を第一に考え、「正直な商売」を基本としてきました。

そして、お客様からいただいたご要望に対しては「手間を惜しまない」という気持ちで取り組んでまいりました。

 

その結果、創業から20年以上を経て、ようやくたどり着いたのが『信頼棺®』の開発です。

 

石材店ならご存知だと思いますが、全国のほとんどの地域のお墓は、水が入ってしまう構造です。
消費者はその事実を知らないので、これまでとくに大きなクレームになることもなく、私たち業者はこれが当たり前だと思ってきました。

そんな中、数年前に、とあるお客様から「お墓に水が入っているのを見た。新しいお墓では絶対に水を入れたくない」というご要望をいただいたのです。

 

さて、同業者のみなさんならわかってくださることでしょう。

「お墓に水を入れない」なんて、普通に考えたら無理ですよね。

ですから、「お骨が土に還るためには水分も大切なんですよ」と説き伏せて、お断りすることもできました。(※関西地方ではお骨を骨壷から出して納骨し、土に還すという考えが主流となっています。)

 

しかし、実際には、高温で火葬されたお骨はセラミック(陶器)状となるため、土に還るには何十年、いや百年以上を要するかもわかりません。

その間にまた納骨があれば、このお客様は水びたしのカロートを思い出し、そのたびに嫌な気持ちを抱いてしまうはずです。

また、私自身も「自分や家族のお骨を野ざらしのようなところに置いておくのは確かに気持ち悪い」と感じました。

 

それならばと、無謀を承知のうえで、思い切って防水構造のカロートの開発に挑戦することにしたのです。

『信頼棺®』が完成し、他のお客様にもご紹介すると、ほとんどの方が「お墓に水が入るのは耐えられない、防水構造にしてほしい」という要望をお持ちだということがわかりました。

まさに、

「自分がされて嫌なことは、人にしてはいけない」
「私が石材店に望むことは、消費者が石材店に望むこと」

これを実感することになったのです。

 

幸運なことに、『信頼棺®』は自社で新たに開発した商品ということもあり、他社と大きな差別化が図れるようになりました。

その証拠に、 今では『信頼棺®』の施工を希望する他府県の方からも、お問い合わせを多数いただくほど。

ここまでの道のりは長かったですが、諦めずに取り組み続けて本当によかったと感じています。

 

『信頼棺®』を販売・施工してみませんか?

当社の例からもおわかりいただけるように、「お客様のニーズを満たし、なおかつ他社と差別化が図れる」というサービスは、なかなか簡単に開発することはできません。

自社のターゲットとなるお客様の声に耳を傾け、課題を見つけ、それを解決する術を探す・・・

新しいことに挑戦しては失敗して、また挑戦する、その繰り返しの中で、ようやく一つ見つけられるかどうかです。

ですから、現時点で売り上げや集客にお困りの石材店にとっては、時間をかけて新たなサービスを模索できるほどの余裕がないのではないでしょうか。

 

そんな石材店のあなたに、折り入ってご相談があります。

実は、第一石材では遠方からの『信頼棺®』のご注文にすべて対応するのが難しいと思っていたところです。

せっかく開発したのに、物理的な問題で必要としてくださるお客様にご提供できず、残念な想いをしておりました。

 

もしよかったら、当社に代わって、この『信頼棺®』をお客様に届けていただけないでしょうか?

当社の強みにもなっている『信頼棺®』は、きっとあなたの石材店のお役にも立てるはずです。